第1話 自分との出会い

「(なんで、こんなことになったんだろう)?」周りの赤い世界を見て、僕は呆然とする。隣には、死んでしまったアスカ。「僕がちゃんとしてれば、こんなことには…、なにをいまさら、もう遅い、遅すぎるんだよね…。」

「アスカ・ミサトさん・綾波・NERV・学校のみんな、本当にごめん、ごめんなさい。」・・・碇シンジの心臓が停止したのは、それから15分後のことだった。


(ウ〜ン、よく寝たなぁー、あれ、ここはどこ?・・・・・・・・・・・・第、第3新東京市だ。世界は終わってしまったはずなのに。僕はあの赤い世界にいるはずなのに。あれ、あそこにいるのはボク?どういうこと?そ、そうかタイムスリップだ。あのかばん、あの手紙、あの服装、まちがいない、第3使徒の時だ。よし話し掛けてみよう。)

「こんにちわ。」

(えっ、僕と一緒の顔だ。)シンジは呆然として、しばらく沈黙していたが,

「あの、僕とそっくりなんですけど。父の親戚か、なんかでしょうか?あとお名前は?」

「えっ、名前・・・碇シンスケ、シンスケだよ。シンジの双子の兄の。ああ、父さんが、2,3日前に手紙で僕に双子の弟がいるなんて言うから驚いちゃって。そうか、君か。」

(・・・なんか、我ながら、こんな時によく、口がよく回るなぁ。)

「それにしても本当に、僕とそっくりだな。あっそうだ、シンジも父さんに呼ばれてきたんだろう。なんでも父さんの働いているNERVって場所に行くらしいらしいよ。今からいっしょにいこう!」

「でも、非常事態宣言出てますよ。シェルターに行ったほうがいいんじゃないですか?」

「まあ、いいから、いいから」

結局シンジはシンスケの勢いに負け、いっしょにNERVに行くこととなった。


二人が歩き始めて15分後、ぴゅーん、ボ〜ン

「ミサイル、それになんだ、あの怪物」

(第3使徒か、しまったな勝手に歩いてしまった、ミサトさん僕たちのこと、見失って駅に行かなきゃいいんだけど。あっ、あれはミサトさんの愛用のルノー。) 

葛城ミサトがシンジ達に気づき、得意のドリフトを決めた。

「シンジ君、遅れてごめんね?えっ」

「ああ、僕はシンジの双子の兄でシンスケと申します。さあ、速くNERVにつれて行ってください。」

「えっ、双子の兄。シンジ君に双子がいるなんて聞いてないんだけど・・・。」

「いままで父が、僕のことは、どうも世間に秘密にしてたで。さあ、そんなことはどうでもいいから、急いでNERVへ」

「ええ、そ、そうね。」

 ミサトは不審に思いつつも、戦場に、放って置くわけにもいかないのでとりあえず、シンスケもつれていくことにした。NERV本部に着いたのはそれから15分後、そしてその後ミサトさんは、当然道に迷うのであった。


「遅いわよ、葛城・・・」

 赤木リツコも、葛城ミサトと同じく、シンジが二人いることに気づき、途中で口がとまってしまった。

「あれ、ミサトどういうこと?どうしてシンジ君が二人も。」

「僕は碇シンスケ、シンジの双子の兄です。リツコさんよろしく」

「えっ、シンジ君は、一人っ子のはずですけど・・・」

「あっ、これは、さっきミサトさんにも、言いましたけど、なんだか父が世間に僕のこと秘密にしてたみたいで…」

「まあ、いいわ。私は、赤木リツコと申します。シンジ君、シンスケ君よろしく」


「顔・・・・・・巨大ロボット」

「性格にはロボットじゃないわ。人の作り出した究極の汎用決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏に行なわれた。われわれ人類最大の切り札よ。」

(使徒のコピーだったんじゃなかったけ・・・。)

「これも父の仕事ですか?」

「そうだ」

「久しぶりだな」

「父さん」

<父さん>、そう言うと、顔をそむけるシンジ。父親に対する複雑な思い。シンスケにはかつての自分である、シンジが今なにを考えているのか、よくわかった。

そして、これからシンジがどういう運命になるのかも。それが父の次にいう言葉から始まるという事も。

「出撃」

「出撃!?零号機はダメでしょう?まさか、初号機を使うつもりなの?

「他に道はないわ。」

「ちょっと、レイはまだ動かせないでしょ。」

「さっき、届いたわ」

「マジなの?」

「シンジ君、あなたが乗るのよ。」

「え・・・僕が。」

(僕が乗れば、簡単に勝てるのはわかっている。でも、それじゃダメだ。サードインパクトを防ぐためには、この時代の僕が成長しないといけない。根拠はないけど、なんだかそんな気がする。この世界のシンジには僕のようになってほしくない。)

その後もリツコ・ミサト2人の議論はつづいていたが、リツコの「今は誰であれ、エヴァと少しでもシンクロ可能な人間を乗せるしかないのよ」との言葉にミサトが折れた。

その後、父に「乗れ」と言われ、ミサトにも「乗りなさい」と言われてしまう。シンスケはすこし頭にきた。これは人に頼み事をする態度じゃないと。

「さっきから、黙ってきいてりゃ、人にそれが頼み事する態度ですか?特に葛城さんでしったけ、逃げちゃ、ダメよ。ってなんですか。普通こんなのいきなり乗れって言われて、乗れない方が自然じゃないですか。貴方達はシンジに死ににいけ、と言ってるも同然ですよ。それを拒否しただけで、逃げちゃダメよですか。まったく何を考えてるんですか。これを倒すのは、貴方達の仕事でしょ?その仕事を戦闘の素人に押しつけるなんて。逃げてるのは貴方達じゃないですか。」

 沈黙してしまうミサト。ミサトさんも気にしていることなのに、ちょっと言い過ぎたかなと思うシンスケ。その後、レイが運ばれる。レイは全身傷だらけであった。

・・・ジオフロントが使徒の攻撃にゆれ、レイが倒れる。レイを抱き上げるシンジ。すると、手には血がべっとりとついていた。

「シンジ、乗ってやれよ。こんな傷だらけのかわいい女の子、乗せるわけにはいかないだろう。それに、ここでこの子を助けてやれば、この子おまえに、ほれるかも知れないな。あれ、どうしたシンジ顔赤いぞ。」

シンスケがそう言うとシンジは、決心した。

「やります。僕が乗ります!」


後書き 

どうも、はじめましてトマトです。これからもよろしくお願いします。この話しは日曜日更新の週間連載予定です。


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